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阿佐ヶ谷のラピュタに、映画 「江分利満氏の優雅な生活」を観に行くの巻。

【2019年3月21日(木)

 好天ながら強風の一日。
 チャリで阿佐ヶ谷に向かい、ラピュタで開催中の映画企画 「演技者・小林桂樹 役を全うする」(2019.1.27(sun)~3.23(sat)) の中のプログラム 117.png 「江分利満氏の優雅な生活」 を観に行く。
 杉並在住27年、ラピュタで映画を観るのは、今回がはじめてではないかな。

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 風が強すぎて、横風が吹くと体がチャリごと押し流されそうになる。
 強風に飛ばされたおばあさんが2、3人、阿佐ヶ谷の上空に舞っていたとですよ。(ウソ)

 山口瞳氏の直木賞受賞作の映画化である。

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 何度観ても飽きない映画で、177.png邦画ではボクが一番好きな映画なのだ。
 それに、小林桂樹(1923年~2010年)が主演する映画の中でも一番好きな映画でもある。
 この映画の中で、小林桂樹(当時40歳)は、作者の山口瞳(1926年~1995年,当時37歳)のアバターとして十全なパフォーマンスを披露している。
 177.png婦人画報 撮影:林忠彦
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 明治生まれで戦争成金だったこともある父(最後は借金まみれ)を持つ江分利満氏は、終戦間際に岡山での戦闘訓練の経験がある戦中派であり、戦後は、サラリーマンとして市井に生きる生活者となる。
 作者の山口瞳は、サントリー(寿屋)の宣伝部員だったのだが、映画の中でも江分利満氏は、サントリーの宣伝部員という設定となっていたことにあらためて驚く。
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 この映画は、喜劇映画の顔をしながら、昭和が終始戦争の時代であったことの劇性(悲劇性)をも教えてくれるのだ。
 映画公開(1963年)から終戦(1945年)までは20年も経っておらず、一方、公開の翌年は東京オリンピックで、ここから大阪万博(1970年)まで、ジャポンは高度経済成長の道を驀進する。
 ボクの家も、着実に家電が増えていき、テレビはモノクロからカラーに変わって行ったという経験を持つのだ。

 映画の後半、直木賞を受賞した江分利満氏が、会社で開かれた受賞祝いのあと、若い社員たちを連れて酒場に流れ、二次会、三次会、四次会の果てに社宅にまで連れて行き、帰りそびれて最後まで残った2人の若い社員を前に、学徒出陣で戦地に向かい死んでいった学生のことや、戦争で散った息子を思う母親の手記を読むシーンは、いささか冗長に思えるのだが、戦中派である監督の岡本喜八(1924年~2005年,当時39歳)と小林桂樹は、この映画を借りてそのことをこそいわずにはいられなかったのではないだろうか。
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 上映時間102分。
 よく晴れた休日、映画という非日常の空間の中で現実逃避できる歓びは、何物にも代えがたいのである。
 学生時代、映画館の暗闇に逃げ込んで現実のつらさを忘れようとしたこの感じ、久しぶりの感覚だったのさ。

 帰り道の向かい風では、チャリが前に進まず、しかたなくチャリを降りて手押しせざるを得なかったのだった。

 177.pngPS.
 最後に、もうひとつボクが好きな小林桂樹が演じた役柄は、 「日本沈没」 (1973年,当時50歳)での地球物理学者の田所教だ。
 日本が地震で沈むことの確証、それを田所教授は、「(科学者としての)直感とイマジネーションです」といい切った。
 あのシーンとそのセリフをいう小林桂樹(田所教授)は、実にカッコよかったな!!
 もう一度観たい映画、そして、もう一度観たいシーンの中のセリフなのである。

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by misaochan3x7 | 2019-03-21 21:25 | キャラ立ち


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